モノ作りにおいて、現代の大量生産、コスト削減の考えが主流の中、 革を素材にして全ての工程を手作業で行う事は、時代に逆行しています。 コストや生産性だけでなく、発色、耐水性、重量(軽さ)でも、近年のビニール素材や合皮(合成皮革)に対して革は素材的には劣っているのかもしれません。

しかし、手作業でしか表現できない技術（カービング等）や、 手縫いならではの丈夫さ、修繕のしやすさなど、手作業のメリットも存在します。 使う人や状況に合わせた細部のサイズ調整、文字入れ等、オリジナリティを求める事も可能です。 そして革は水に弱く、変形しやすいからこそ、持ち主と共に時を歩み、色が深まり愛着がわきます。 その経年変化（エイジング）こそが革の最大の魅力です。

これからもフルハンドメイドでしか表現できない革の温かみ、個性、 こだわりを伝えられるような作品を丁寧に作っていきたいと思います。


"Amber Factory"　 直訳すれば　 "飴色工房"


使い込んだ革製品はよく飴色と称されます。
そして深い飴色は言葉に表せない雰囲気を持つでしょう。
手にする機会があれば是非“使う”のではなく“育てる”感覚で扱っていただければと思います。

左：新品（オイルアップ済み）
右：一年半使用後